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2026年9月3日木曜日

新聞にも載った、キバを持つ獣人 ~ デントン・ヒル・モンスター


■新聞にも載った、キバを持つ獣人 ~ デントン・ヒル・モンスター

今回はデントン・ヒル・モンスター(Denton Hill Monster)。

19世紀末、ペンシルベニア州ポッター郡の深い森で、全身を毛に覆われた二足歩行の怪物が目撃されたという奇妙な事件がありました。

しかもこの怪物、口元にはイノシシのような巨大なキバまで生えていたといいます。

― 森から現れた毛むくじゃらの怪物 ―


事件が起きたのは1897年4月。

ペンシルベニア州ポッター郡を流れるネルソン・ラン(Nelson Run)付近で、釣りをしていた男性が奇妙な生物に遭遇したといいます。

草むらから姿を現したのは、全身が長い毛に覆われた人間のような生物。

ところが次の瞬間、この生物は突然二本足で立ち上がり、胸を激しく叩きながら恐ろしい声を上げたのです。

釣り人はパニックに陥り、怯える馬に飛び乗ってその場から逃走。

怪物はしばらく馬を追いかけてきたとも報じられています。

これだけでも十分に奇妙な話ですが、事件はこれで終わりませんでした。

― デントン・ヒルに現れた「キバの怪物」 ―


その約1週間後、デントン・ヒルでウィリアム・“ビル”・バトラー(William "Bill" Butler)という男性が、この謎の生物と遭遇します。

バトラーは愛犬と馬を連れて森の中を歩いていました。

すると、地面にしゃがみ込んで何かを食べている毛むくじゃらの生物を発見。

それは野生のウッドチャックMarmota monax)を貪り食っていたといいます。

犬が激しく吠え立てると、生物はゆっくりと立ち上がり、バトラーに向かって激しく咆哮しました。

このとき、バトラーはその口元に異様なものを見ました。

なんと、イノシシのような巨大なキバが生えていたのです。

新聞の記録によれば、その長さは6~7インチ(約15~18センチメートル)。

単なる「牙のある獣」というレベルではなく、口元から突き出した巨大なキバだったといいます。

さらに怪物は、バトラーに向かって一跳びで30フィート(約9メートル)もの距離を跳躍したと報じられています。

幸い、犬が勇敢に吠え続けたため、それ以上の攻撃には移らず、生物は森の奥へと消えていきました。

― 「The Potter Nondescript」と呼ばれた怪物 ―


この奇妙な事件を報じたのが、地元紙『ポッター・エンタープライズ紙(The Potter Enterprise)』です。

1897年5月の記事では、この謎の生物を「ザ・ポッター・ノンデスクリプト(The Potter Nondescript)」と呼んでいます。

「ポッター郡の正体不明の生物」といった意味で、いわば「名前のない怪物」に与えられた仮の名前でした。

当時の新聞記事を追っていくと、単発の目撃談ではなく、生物が周辺を移動しているかのような「追跡記事」まで掲載されていました。

バトラーの証言によって地元では騒ぎが大きくなり、猟師たちが銃を手に森を捜索するまでになったといいます。

さらに怪物が南のケトル・クリーク(Kettle Creek)方面へ移動したという話まで伝えられました。

まるで現代のUMA騒動と変わりません。

違うのは、これがビッグフットという名前すら一般化していなかった1897年の出来事だったということです。

― 「実在の怪物」から「新聞のジョーク」へ ―


ところが、ここから話は意外な方向へ転がります。

地元のライバル紙『ポッター・デモクラフト紙(Potter Democrat)』が、この怪物騒動そのものを批判し始めたのです。

同紙は、この話は『ポッター・エンタープライズ紙』側が読者の興味を引くために仕掛けた風刺、つまり悪ふざけのようなものではないかと指摘しました。

つまり、毛むくじゃらで二本足で歩き、巨大なキバを持つ怪物が本当に森を徘徊していたのではなく、新聞が地元の噂話を面白おかしく膨らませていた可能性が浮上したわけです。

結局、この怪物が何だったのかを示す物証が提示されることはありませんでした。

新種の大型哺乳類だったのか。

何らかの動物を見間違えたのか。

あるいは最初から、新聞によって作り上げられた「森の怪物」だったのか。

現在では、後世のUMA研究家によってビッグフット系の先駆的な記録として紹介されることもあります。

しかし、当時の人々が「ビッグフット」を見ていたわけではありません。

彼らが見たのは、「ザ・ポッター・ノンデスクリプト」という、名前さえ定まっていない正体不明の怪物でした。

1897年のペンシルベニア。

深い森の中で、毛むくじゃらの何かが二本足で立ち上がり、胸を叩き、巨大なキバをむき出しにして人間を威嚇する。

それが本当に存在したのか、それとも新聞紙面の上だけに生まれた怪物だったのか。

ただひとつ確かなのは、19世紀のアパラチアにもすでに、人々が「森の奥には、まだ名前のない何かがいる」と想像する土壌が存在していたということです。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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