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2026年1月23日金曜日

雪を泳ぐ白き影 ~ スノー・スネーク


■雪を泳ぐ白き影 ~ スノー・スネーク

今回は「雪蛇」ことスノー・スネーク (Snow Snake)。

五大湖周辺の民間伝承系生物で、北米の木こり文化から生まれた「フィアサム・クリッター (Fearsome Critters)」のひとつです。

フィアサム・クリッターとは、開拓時代の林業者たちが語り合った奇妙な生き物たちの総称で、恐怖と笑いを混ぜながら長い夜を過ごすための「焚き火の友」でもありました。

― 白銀の静寂に蠢くもの ―


北米の極寒地帯。ブリザードが吹き荒れる夜、木こりたちは薪を囲みながらこう語ります。

「雪の上を、音もなく滑る白い猛毒の蛇がいる――」

それが冬の夜を漂う謎のUMA、スノー・スネーク。

姿を見た者は少なく、触れた者は皆無。けれど、その名を知らぬ林業者はいないといわれています。

最初の記録は19世紀末。アメリカ北部からカナダにかけての林業キャンプで、「雪を滑る白蛇」の噂が囁かれました。純白の体、青く透き通る瞳。全長は人の背丈を超え、雪面を音もなく滑る――

そして何より、「雪の上なのに足跡がない」。この一点が、彼らの恐怖を決定づけたのです。

ある木こりは語ります。「雪の上に細い筋が続いていた。風の跡でもスキーの跡でもない。その先で鹿が凍りついたように倒れていたんだ」。それ以来、雪上に奇妙な線を見つけた者は、斧を強く握りしめ、低く呟くのです。

「……スノー・スネークが通ったあとだ。」

― 冬だけに現れる蛇 ―


奇妙なのは、この生物が冬にしか現れないことです。普通、ヘビは変温動物であり、寒さに極端に弱い。冬になると冬眠に入るため、零下の雪原を動く蛇など“あり得ない”はず。

フィアサム・クリッターだけに、真面目にその「実在性」について考える必要はないかもしれませんが、スノー・スネークは「寒冷適応した突然変異体」で、血液に天然の不凍液を含んでいる、なんて説もあります。

もしそれが事実なら、生物学の常識を覆す「極寒進化種」です。

真面目な科学者たちは笑い飛ばすかもしれませんが、笑いながら焚き火を囲む木こりたちは、科学者よりちょっとだけ「リアルな雪山」を知っていたのかもしれません。

― 現実の蛇との奇妙な交差点 ―


(アルビノのキタカーペットニシキヘビ (Morelia spilota variegata))
(image credit: Wikicommons)

さて、それではスノー・スネークとクロスオーバーする実在の蛇たちにも軽く触れてみましょうか。

スノー・スネークの姿形は、アルビノのコーンスネーク (Pantherophis guttatus) に酷似しているといわれます。

仮に雪上を移動したら光の加減によっては白く輝くことがあるため、目撃者が「雪を泳ぐ蛇」と錯覚しても不思議ではありません。

一方、現実の蛇の中にも、氷点下に迫る寒冷地で生き延びる種が存在します。

例えばヨーロッパ全域に広く分布するヨーロッパヤマカガシ (Vipera berus)。

この蛇はヘビ類の中でもっとも高緯度に適応した種で、雪の上に姿を見せることすらあるといわれます。

また、北米原産のヌマチガーターヘビ (Thamnophis sirtalis) も、凍結寸前の気温でも活動できる驚異的な耐寒性を持ち、群れで冬を越すことが確認されています。

もしかすると、スノー・スネーク伝説は、こうした「寒さに強いリアルな蛇たち」の姿が誇張され、やがて神秘の怪物へと昇華したのかもしれません。

つまりスノー・スネークの起源は実在の蛇かもしれない。

実際、古い林業記録には「気温マイナス20度の夜、蛇が雪上で発光しながら進んでいた」なんて報告すら残されており、単なる木こりたちの錯覚と決めつけるのは少々乱暴すぎるような気がします。

北の森は、理屈では測れない奥深さが潜んでいるものなんです。

― 雪原に残る、笑いと恐怖の境界線 ―



スノー・スネークは、恐怖とユーモアの狭間から生まれた「雪山の幻獣」です。

開拓時代の木こりたちは、厳しい自然に立ち向かうため、怪談を笑い話に変えたのです。
新入りの木こりが仲間に加わると、ベテランたちは言います。

「気をつけろ、スノー・スネークに足をすくわれるぞ!」

――そんな冗談が、やがて伝承として独り歩きしていったのでしょう。

夜の森。風が止み、月光が雪を照らすとき、白い地面に一本の線が浮かぶ。

それを「ただの風の跡」と笑うか、「スノー・スネークの通り道」と感じるか――その違いこそが、人が「未知」を信じる力の差なのかもしれません。

UMAとは、自然と人とのあいだで生まれる「語られる生命」

雪の夜――
「雪蛇」が、月の光に照らされながら静かに雪原を滑っていく姿を想像してください。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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