■オタマジャクシからウシに変身する海棲哺乳類!? ~ カマウェート
今回はカマウェート (Camahueto)。
カマウェートはチリ領のチロエ島 (Isla de Chiloé) に伝わる民間伝承系のUMAです。
グルトレグアというUMAも報告されている島で、チリ領としてはフエゴ島に次ぐ2番目に大きな島です。
― 淡水と海を行き来する異様な生態 ―
UMAといえど、非常に風変わりな生態をしており、チロエ島の川で育ち、成体になると海へ移動する、つまり淡水と海水の両方で生息できる生物です。
このような生活史は現実の生物にも例があり、環境適応という観点では完全な荒唐無稽とも言い切れませんが、問題はその姿と成長過程にあります。
日本ではサケやウナギといった魚類を思い浮かべてしまいますが、カマウェートのその姿は哺乳類的、特に雄牛に似ているといわれ、額からユニコーンのように一本の角を生やすとされています。
― オタマジャクシから雄牛へ ―
ただし成長過程が特異で、地下の河川で生まれるものの、その姿は哺乳類には似ても似つかず、なんと両生類の幼生、つまりオタマジャクシ型だと伝えられています。
この時点では完全に水中生活を送り、四肢も未発達で、現在知られる哺乳類とはまったく異なる形態です。
成長と共にその姿は哺乳類的、特に雄牛的になります。
生まれたばかりの時は両生類の特徴を持ち、次第に哺乳類的になるものの、陸生哺乳類と海生哺乳類のハイブリッド的な生態であり、四肢はヒレ状であるという説もあります。
― 水棲主体だが陸上行動も可能 ―
また、主に水棲ですが陸上でも問題なく行動できるとされ、この点でも完全な水生生物とは異なります。
生態的に考えると、ウシの姿をしたアザラシ、もしくはカバのような生物を想像すると、最も近いかもしれません。
魚食性ですが人間に対しては非常に敵対的で、怒らせると人間を殺して食べてしまうとまでいわれています。
このあたりから、単なる珍獣というより、恐怖譚として語り継がれてきた存在であることがうかがえます。
― 一本角の正体とユニコーン伝承 ―
額の一本角からユニコーンといえばサイやイッカクが元になっていますが、地理的に考えてどちらも直接的な関係はなさそうです。
ですが、「カマウェートの角」なるものが存在するといい、その角には魔力が宿ると信じられていました。
このことから、その角自体はサイやイッカクの角であった可能性も否定できません。
実際、中世ヨーロッパでユニコーンの角として取引されていたものは、当時のヨーロッパの人々がその姿を知らなかったサイやイッカクの角でした。
― 生物としての限界 ―
まあ、いずれにしても、幼生時代は両生類のオタマジャクシに似ており、成長すると哺乳類のウシに似るという生物は、現実の動物学的枠組みからは大きく外れています。
この極端な変態的成長こそが、カマウェートを魅力的にする一方で、民間伝承以上の存在ではなさそうだと感じさせる最大の要因でもあります。
UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)
(関連記事)


.jpg)
.jpg)
0 件のコメント:
コメントを投稿