■ニューブリテン島の恐竜系UMAは二足歩行するワニが正体か? ~ ドレン
今回はドレン/ドーレン (Doren)。
2011年11月、パプアニューにギア領のビスマルク諸島最大の島、ニューブリテン島で目撃された生物です。
ニューブリテン島のUMAといえば、ニューギニアン・イグアノドンがいますが、今回紹介するドレンも実は同じ生物を指している可能性がありますが、別物として紹介しましょう。
目撃したのはケン・ジョンという名の牧師、距離にして僅か1メートルという超至近距離での遭遇。
牧師によればその生物はジャングルの茂みから頭部と上半身だけが見えていたといい、頭部は旅客機の先端部分のような形状、見えていた部分の体色は茶色だったそうです。
幸いなことに牧師は襲われることはなかったといいます。
牧師はそのような言及はしていないものの、この生物の正体を獣脚類の生き残りと考えた未確認動物学者がいたことで話は大きくなりました。
まあ恐竜は今も昔も大人気ですからね。
さてこの未確認生物の話が広まると、実は地元では知られた存在の生物で、ドレンと呼ばれている生物であることが分かりました。
正体はもちろんわかっていないものの目撃証言は多く、住民たちにヒアリングしたところ、ドレンの詳細が分かりました。
ドレンは半水生の生物であり、そのほとんどの時間を海岸近くで過ごし、満潮時のみ陸に上がり干潮になるとまた水辺へと戻ります。
海岸近くにいるなら (すぐに波に洗い流されるものの) 足跡なんて簡単に発見できる見つかるのでは?
その通り、足跡はよく発見されており、直径は約25センチ、前向きに3本のかぎ爪のついた指を持ち、後ろ向きにやや湾曲した1本、合計4本の指の足跡を残します。
ドレンは雨季になると行動範囲が著しく広まり、小川伝いに内陸の山岳地帯まで足を踏み入れるといいます。
内陸にくると畑の土を掘り起こしたり、カニを食べたりしている姿も目撃されています。
ドレンは畑に植えてある野菜には手を付けないため、畑を掘り起こしているのは昆虫やミミズといった食料を探しているためではないかと推測されています。
これらの食性から、はじめの獣脚類ではないか?といったイメージからずいぶんと小物感のある生物に様変わりしています。
そしてこの生物の興味深い特徴はふだんゆっくりと行動するときは四足歩行であるものの、走るときは二足歩行になるというものです。
肝心の至近距離で遭遇した牧師の目撃証言が、恐怖のせいかあまりその生物の特徴ついて詳細に語られていないため、恐竜 (爬虫類) か哺乳類かの判断もつきません。
実際のところ、ドレンは冒頭で述べたようにニューギニアン・イグアノドンと明確な差別化を図れるほどその姿の詳細は分かりません。
さて現実的なところではニューギニアン・イグアノドンと同様、世界最大のオオトカゲ類、コモドオオトカゲ (Varanus komodoensis) やハナブトオオトカゲ (Varanus salvadorii) ですが、彼らに二足歩行は不可能。
(ハナブトオオトカゲ)
(image credit by Wikicommons)
そこで Mellow Brick Road さんはもう少し夢のある生物を提案しています。
恐竜であるイグアノドンではさすがに厳しい、かといって上記に挙げたオオトカゲでは夢が無い & 二足歩行は不可。
Mellow Brick Road さんはイグアノドンよりもまだ現実的 (?) なボベリスクス (Boverisuchus) をその正体の候補に挙げています。
ボベリスクスはかつて北米に棲息していたワニの仲間で、体長は3.6メートルほど、相対的に現代のワニよりも四肢がかなり長くしなやか、蹄のような爪を有していたことから疾走することができたと考えられています。
それどころかただ高速で走れるだけではなく、ボベリスクスは後肢二本で走ることができた可能性があると考える研究者もいます。
ふだんは四足歩行、疾走するときは後肢二本、まさにドレンそのものです。
(バトラコプス)
(Image credit: Anthony Romilio)
二足歩行できるワニは現代にはいませんが、ボベリスクス以外にも白亜紀に棲息していたバトラコプス (Batrachopus) なんかが最近では有名でしょうか。
バトラコプスも体長3メートルほどあり、足跡化石が後肢しか発見されていないため、ボベリスクス以上に二足歩行していたことが有力視されています。
ボベリスクスにしろバトラコプスにしろ、復元予想図では二足歩行時もかなり前傾姿勢であり、とても体高3メートルには及びませんが (目線は人間の腰ぐらいの高さ)、ワニが後肢二本で疾走するのに遭遇しようものなら腰を抜かすこと間違いなしです。
(参照サイト)
Mellow Brick Road
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