■桟橋に体当たり、桟橋を揺らした巨大生物 ~ オボジョキ
今回はオボジョキ (Obojoki)。
もしかするとオボヨキと発音する可能性もありますが、アメリカのUMAなのでオボジョキということにしておきます。
オボジョキはアイオワ州にあるビッグ・スピリット湖、西オコボジ湖、東オコボジ湖、アッパー・ガー湖、ミネワシュタ湖、ローワー・ガー湖、ルーン湖の計7つの湖で構成されるオコポジ湖 (Lake Okoboji) で目撃されるレイク・モンスターです。
オコボジ湖は巨大な湖ひしめく北米においては、7つの湖をすべて足したところで特筆すべき大きな湖ではありません (表面積50平方キロメートル強) が、スピリット湖と西オコボジ湖は水質が良く、透き通ったように「青く」見えることからブルー・ウォーター湖 (Blue Water Lake) の異名を持ちます。
そもそもオコボジ湖という名前自体が奇妙な響きを持ちますが、これは先住民のダコタ族の言葉で「葦とイグサ」を意味する "Okoboozhy (オコブージー)" に由来するといいます。
元々、オボジョキは東オコボジ湖で目撃されたといいますが、上記の通り連なった群湖 (ぐんこ) であり、オコボジ湖すべての湖で目撃されるようになります。
オボジョキも他の水棲UMA同様、目撃証言にばらつきがあり、水棲ということもありその姿は掴みづらいものとなっています。
巨魚であるともレイク・サーペント系とも、もしかすると巨大水棲爬虫類系だともいわれます。
但し、いずれにしても細長い体型をしていると考えられています。
(オボジョキが映し出されたという謎の写真)
ヨーロッパから移民がくる以前から先住民族には知られた存在でしたが、記録に残っているもっとも古いものは20世紀初頭の1903年、チャールズ・バートレット夫妻による目撃です。
夫妻がボートに乗って釣りをしていると、姿こそ見えないものの水面が波たち、驚くようなスピードでその波が近づいてきたといい、彼らは急いで岸へとボートを漕ぎました。
結局その波の持ち主の姿をはっきりと見ることはできませんでしたが、その生物は非常に遊泳に長けており、小舟をひっくり返したような形状の体の一部 (背中?) が見えたといいます。
もっとも最近のものはそれから1世紀ほどたった2001年の目撃談です。
6月23日、夕方の19時半ごろ、休暇でオコポジ湖に訪れていた母娘3人はただのんびりと桟橋に座りオコポジ湖を見渡しながらアイスクリームを食べていました。
天気も良く風もないため、水面をかき乱すものは何ひとつなく、夕方でしたがまだ明るく、水面はまるでガラスの表面を見ているかのように夕日に照らされ美しかったといいます。
そこが決してガラスではなく湖であることを思い出させるのは、時折通りかかる小舟の軌跡だけでした。
穏やかな風景を楽しんでいると、13歳の長女が母親の腕お突っつきました。
「あそこを見て」
水面を唯一かき乱す船もそこにはありませんでしたが、娘が指した先は水面が波立ち、渦を巻いていたのです。
???
すると予想もしなかったことが起こりました。
渦を巻く場所から少し離れたところに何かがゆっくりと浮かんできたのです。
それはコブのような形状で、素早く1メートルほど動くと、また水中に没してしまいました。
何らかの生物でした。
ややいびつで楕円状の球形、大きさにしてボーリングの球より若干大きく、それは巨大なトカゲの頭部のように見えました。
緑がかった濃い青色をしており、魚とは異なる爬虫類の皮膚のような鱗も確認できたといいます。
再び頭部と首らしき部分が浮かび上がると、今度は高速で移動し始めました。
頭部しか見えませんでしたが、その頭部の大きさだけで、その生物が実際にはかなり大きいであろうことは容易に推測できました。
その生物は10メートルほど高速で泳ぐと、口を開け大きく空気を吸い込むような動作をし、また水中に没しました。
しばらくするとまた頭部が浮かび、意外にも母娘たちのいる桟橋の方へ高速で向かってくると、桟橋の柱にぶつかる直前で水中に没しました。
っと、それから1秒も経たないうちにドスンッ!という大きな音と共に桟橋全体が揺れました。
母娘たちは急いでその場を立ち去ったといいます。
いかがでしょう?
信じられないような目撃談ですが、取り敢えず彼女たちの体験談が本当だとすれば、鱗や息継ぎの件から、おそらくは巨大な海生爬虫類ということになるでしょう。
夢を持って未知の巨大海生爬虫類を推してみましょうか。
但しアイオワ州の気候は爬虫類にとってはかなり厳しいことは付け加えておきましょう。
(アメリカナマズ)
(image credit: Wikicommons)
で、巨魚説はどうかというとこちらもかなり厳しく、アメリカナマズ (Ictalurus punctatus) ぐらいしかめぼしいものは棲息していません。
アメリカナマズは最大1.3メートル超、26キログラムとかなり大きくなりますが、水棲UMAの正体としてはやや物足りない感じかな。
但しそうはいってもナマズであり、頭部が大きいのは好材料で、先入観で「怪物」の頭部が水面に現れた!と思えば、巨大な爬虫類の頭部と勘違いする可能性はあるかもしれませんね。
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