■牧師が見た謎の海洋生物 ~ ニューリバー海峡の怪物
今回はニューリバー湾の怪物 (New River Inlet monster)。
元々生きている姿は目撃されておらず、実際に目撃されたのは海岸に漂着した巨大な死骸で、正確には英語圏ではニューリバーインレットの死骸 (New River Inlet Carcass) と呼ばれているものです。
情報がかなり少ないので心許ないですが簡単に紹介しましょう。
1885年6月、アメリカ、フロリダ州の大西洋に面したセントルーシーに位置するニューリバーインレットの海岸に謎の巨大な生物の死骸が打ち上げられました。
この死骸は、ゴードンという名の牧師ら、数人によって目撃されました。
ゴードン牧師は動物愛護協会の会長を務めており、それなりに動物に対する知識は持ち合わせていたとは思いますが、少なくともその死骸は見たことのないものだったようです。
全長は42フィート (約13メートル) もあり、長い首の先端にあるべき頭部は欠損していました。
頭部が一体どのようなものであったか、どのぐらいの大きさであったかは知る由もありませんが、欠損していて全長42フィートであったため、もう少し大きかったことは確かです。
体は紡錘形で最も太い部分で直径6フィート (約1.8メートル)、尾はとても長く、先端に向かって先細りで、形状は深海魚のそれに似ていました。
19世紀の話であり、残念ながら写真は残されておりませんがスケッチは存在します。
タイプ的にはトランコやストロンゼー・モンスターに似ています。
発見当初、その大きさからゴードン牧師はクジラ類の死骸ではないかと推測していましたが、海生の哺乳類というよりは爬虫類的だったと回想しています。
一番大事な頭部が欠損していること、そしておそらくは腐敗がかなり進行していたと推定され、スケッチは生前の姿をどこまで再現できているかは分かりません。
ロマン枠では未知の巨大海生爬虫類、まぁ、UMAの定番、シーサーペント系ですね。
そしてリアル枠では夢はありませんがやはりウバザメ (Cetorhinus maximus) が筆頭ですね。
ウバザメの大きな口の特に下顎は腐敗すると欠損しやすく、下顎の取れてしまったウバザメの死骸は首長竜然としたシルエットになりがちなのはUMAファンであれば周知の事実。
頭部が欠損していた、ということになっていますが、実は頭部が欠損していたのではなく、単にウバザメの吻部 (鼻先) が先端部分に来ており頭部が無いように見えた可能性も考えられます。
ニューネッシーなんかはその典型ですね。
但し目撃証言、スケッチ共に体に対して胸鰭がそれほど大きくなく、というかむしろ小さく、ウバザメにしては胸鰭が小さすぎるようにも見えます。
まあこれも腐敗による欠損の結果かもしれません、なにせ胸鰭かもしれないし前肢かもしれないと証言も曖昧ですので。
元々無いのか、それとも欠損したのか背ビレも見当たりませんしね。
幸か不幸か後で詳しく調査しようとしていたものの波にさらわれて行方知れずになってしまったということです。
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