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2026年11月8日日曜日

山小屋を襲撃した獣人 ~ セントヘレンズ・スクーカム(セクション1)


■山小屋を襲撃した獣人 ~ セントヘレンズ・スクーカム(セクション1)

今回は、セントヘレンズ・スクーカム(Mount St. Helens Skookum)。

以前に紹介したウィラメットバレー・スクーカムと同じ「スクーカム」の名を持ちますが、こちらは全く別系統の存在です。

ウィラメットバレー・スクーカムが湖などに棲むといわれる水棲タイプなのに対し、セントヘレンズ・スクーカムは、ワシントン州の山岳地帯に棲むといわれる、いわゆるビッグフットタイプ、つまり獣人タイプの巨人です。

ウィラメットバレー・スクーカムの記事でも書きましたが、そもそも「Skookum」という言葉には、「強い」「力のある」「巨大な」「怪物」などの意味があり、特定の生物だけを指す固有名詞ではありません。

そのため本サイトでは、両者を混同しないよう、ビッグフットタイプをセントヘレンズ・スクーカム(通常は単に「スクーカム」と呼ばれます)、水棲タイプをウィラメットバレー・スクーカムと呼び分けることにします。

そして、この山のスクーカムには、単なる「北米版ビッグフット」では片づけられない、かなり物騒な伝承があります。

一般的なビッグフットといえば、森の中からこちらを観察し、人間を避ける謎の巨人というイメージが強いでしょう。

しかし、セントヘレンズ周辺で語られてきたスクーカムは、もっと危険な存在です。

人間にとってスクーカムは、出会ってはいけないもの。

山の奥に潜み、ときには人間を襲い、命を奪うと恐れられた「魔人」だったのです。

― 山の奥に棲む「魔人」 ―


スクーカムについて語るうえで、まず興味深いのが、その名前の背景です。

現地に伝わるチヌーク・ジャーゴン(Chinook Wawa)では、スクーカムは英語圏で使われる場合とは発音が異なり、「skoo-KOOM(スク・ウー ム または スク・クーム)」に近い発音だったといわれています。

そして、その言葉には単に「強い」というだけではなく、恐ろしく強大な存在や怪物、山の魔人といったニュアンスが含まれていました。

先住民の伝承では、こうした存在は山の奥深くに潜む恐ろしいものとして語られ、人間に危害を加えることもあると伝えられています。

1840年代、セントヘレンズ山周辺を旅した画家ポール・ケイン(Paul Kane)も、現地の先住民から、この山には人間を襲う野生の魔人のような存在が棲んでいるという話を聞いたと記録しています。

こうした伝承が、その後のスクーカム像とどこまで直接つながっているのかは分かりません。

しかし、少なくとも19世紀の段階ですでに、セントヘレンズ山周辺には「山の奥に人間を脅かす何かが棲んでいる」という物語が存在していたことになります。

現在のUMAとしてのスクーカムは、巨大な類人猿のような姿で描かれることが多く、その点ではビッグフットとよく似ています。

しかし、大きな違いがあります。

一般的なビッグフットが「森に棲む謎の巨人」として語られることが多いのに対し、スクーカムはより攻撃的で、人間を襲う捕食者として語られてきたのです。

そして、その恐ろしさを象徴するような事件が、1924年に起こります。

― 1924年、山中で遭遇した巨大な獣 ―


1924年、セントヘレンズ山の東側にあるルイス川支流のマディ川周辺で、金鉱を探していた5人の採掘者たちが、奇妙な生物に遭遇したという記録が残っています。

彼らはまず、周囲に残された巨大な足跡を発見しました。

しかし、それが何なのかは分かりませんでした。

ところが、その直後。

木の陰から、巨大な毛むくじゃらの生物が彼らをじっと見つめていることに気づいたのです。

男たちは驚き、銃を発砲しました。

そのうちの一人、フレッド・ベック(Fred Beck)氏は、3発撃って命中させたと後に証言しています。

生物は倒れて谷へ落ちたともいわれていますが、その死体が発見されることはありませんでした。

しかし、本当の恐怖はその夜に始まります。

― 復讐か ―


夜になると、今度は複数の生物が採掘者たちの小屋を襲撃したというのです。

外から岩を投げつけ、丸太造りの小屋を攻撃。

銃撃を受けても攻撃をやめず、5時間近くにわたって襲撃が続いたといわれています。

小屋には窓がなかったため、男たちは暗闇の向こうにいる襲撃者の姿を見ることができません。

ただ、外から聞こえてくる物音や岩がぶつかる衝撃、そして周囲に残された巨大な足跡から、そこには複数の巨大な生物がいると考えたようです。

考えてみれば、これはかなり異様な状況です。

目の前に怪物がいるわけでもない。

しかし、暗闇の向こうから何度も岩が飛んできて、銃声を響かせても襲撃が止まらない。

そして、外には自分たちよりはるかに巨大な何者かの足跡が残されている。

なぜ5人の男たちは、その状況で逃げることができなかったのでしょうか。

逃げれば襲われると考えたのか。

それとも、夜の山中へ出ることのほうが危険だったのか。

実際に何が起きたのかは、今となっては分かりません。

しかし、昼間に射殺した(と信じている)個体の復讐――

そんな憶測も頭によぎります。というより、彼らにとっては、それが最も自然な答えだったのかもしれません。

翌朝、別の一団が現場を調べると、小屋の周囲には巨大な足跡が残されていました。

しかし、襲撃者の姿はどこにもありません。

この事件が起きた場所は、後に「エイプ・キャニオン(Ape Canyon/猿の渓谷)」と呼ばれるようになります。

現在でも、この1924年の事件はビッグフット史上でも特に有名な遭遇事件のひとつとして知られています。

森の中で人間を避けて暮らす巨人ではなく、人間の小屋を襲い、銃撃を受けても攻撃をやめない獣。

1924年のエイプ・キャニオン事件は、スクーカムという存在に、そんな物騒なイメージを刻み込むことになりました。

そして、この物語はここで終わりません。

数十年後、今度は「スクーカムが実在したのではないか」と考える人々によって、その痕跡を探す動きが始まります。

セクション2へ続く。

(参照サイト)

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)

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