■生きたまま捕獲されたサスカッチの子ども? ~ ジャッコ
今回はジャッコ (Jacko)。
1884年、カナダ・ブリティッシュコロンビア州で、「人間ではないが人に酷似した毛むくじゃらの生物が生け捕りにされた」という記事が新聞に掲載されました。
この話は後に「捕獲されたサスカッチの子ども」として語られ、現在に至るまで完全には否定されていません。
― 1884年の新聞に現れた“何か” ―
発端となったのは、1884年7月4日付『デイリー・ブリティッシュ・コロニスト』紙の記事です。
それによれば、同年6月30日、イェール近郊で「ゴリラのような小柄な生物」が捕獲され、地元の留置場に収容されたといいます。
背は低く、全身が毛に覆われ、人間ではないが猿とも断定できない姿だったと記されています。
この記事では、その生物が危険であるとか、暴れたという描写はほとんどありません。
むしろ、奇妙で不可解な存在として淡々と報じられていました。
― 記事が残り、証拠が消えた ―
しかし、この衝撃的な報道には続報がありませんでした。
捕獲後どうなったのか、誰が世話をしたのか、学術調査が行われたのか。
そうした情報は一切残っていません。
19世紀後半の新聞としても異例なほど、話は唐突に途切れています。
― 半世紀後に再浮上した噂 ―
この出来事が再び注目されるのは、1950年代になってからです。
新聞記者ブライアン・マッケルヴィー氏が、当時のサスカッチ報道を調べる中で、偶然この古い記事を発見しました。
彼は、当時の地域新聞の多くが火災で失われたため、これが唯一の記録であると研究者に伝えています。
この話は、ジョン・グリーン氏やルネ・ダエンデン氏といった研究者の知るところとなりました。
― 証言はあるが、目撃者はいない ―
調査の過程で、高齢者への聞き取りも行われました。
当時「奇妙な生物が捕まったらしい」という噂を覚えている人はいましたが、実際に留置場でそれを見たという人物は確認されませんでした。
噂は確かに存在していたが、現物を見た者はいなかったのです。
― 同時代の新聞が語る“否定” ―
後年、決定的な資料が見つかります。
1884年7月9日付『メインランド・ガーディアン』紙は、この話について「そんな動物は捕獲されていない」「話は荒唐無稽だ」と明確に否定していました。
さらに7月11日付『ブリティッシュ・コロンビアン』紙では、留置場に集まった約200人の群衆が見たのは怪物ではなく、問い合わせに疲弊した看守だけだったと報じています。
つまり、事件とほぼ同時期に、すでに否定記事が存在していたのです。
― それでも消えなかった理由 ―
1975年、グリーンはジャッコ事件を「新聞記事として成立してしまった噂話」と結論づけました。
超常現象研究家ジョー・ニッケルも、これをホークスと見なしています。
しかし、最初の記事を書いた新聞社が訂正や謝罪を行っていない点、そして噂そのものが確かに地域に存在していた点は、完全な否定を難しくしています。
― 歴史的生物ではなく、歴史的怪異 ―
ジャッコは、サスカッチ実在の証拠というより、噂が記録され、否定され、再発見され、神話へ変質していく過程そのものだったのかもしれません。
留置場に何かが本当にいたのか。
それとも、最初から何もいなかったのか。
この問いだけが、140年以上経った今も静かに残されています。
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