■超巨大ハリモグラ ~ ジャイアントミユビハリモグラ
今回は、超巨大ハリモグラ、ジャイアントミユビハリモグラ(Murrayglossus hacketti / Zaglossus hacketti(旧))。
巨大ハリモグラ、メガリブグウィリア・オウェニー(Megalibgwilia owenii)が話題になっているので、こちらも併せて見ていきましょう。
― ハリモグラ ―
(現生種のミユビハリモグラ)
(image credit : Anagoria)
ハリモグラはカモノハシと同じ単孔類に属する哺乳類です。
卵を産ち、総排出腔を持つという、哺乳類としては例外的な特徴を持つ原始的なグループで、現在はオーストラリアとニューギニアにのみ分布しています。
見た目は巨大なハリネズミのようでありながら、その内部構造は爬虫類的な特徴も色濃く残している、いわば「進化の途中」を体現したような存在です。
― メガリブグウィリア・オウェニー ―
近年再び注目を集めているのが、メガリブグウィリア・オウェニーです。
体長は約1メートル、体重は15キログラム前後。
現生のハリモグラと比べるとほぼ倍近いサイズで、人間の4歳児ほどの体格に相当します。
単孔類という枠で見れば、このサイズでも十分に異様です。
が、これでもなお「最大」ではありません。
― ジャイアントミユビハリモグラ ―
現在知られている中で最大の単孔類が、このジャイアントミユビハリモグラです。
体長は約1メートルとメガリブグウィリアと大差ありませんが、体重は20~30キログラムに達すると推定されています。
単純な体重ベースでは人間の10歳児に匹敵する重厚感があります。
骨格の特徴も現生種とは明確に異なります。
脚はより長く直線的で、密林や起伏のある地形を移動する能力に優れていたと考えられています。
大腿骨の構造も独特で、筋肉の付着痕からは相当なパワーを持っていたことが読み取れます。
ただし、発見されている化石は主に脊椎や四肢骨に限られ、頭骨は見つかっていません。
そのため長らくミユビハリモグラ属(Zaglossus)に含められていましたが、2022年に再分類され、独立した属Murrayglossusとして扱われるようになりました。
なお、一部の骨には切断痕や焼け跡が確認されており、人類によって狩猟されていた可能性も示唆されています。
― メガリブグウィリアの再注目 ―
では、なぜ今になってジャイアントミユビハリモグラよりも小柄なメガリブグウィリアが注目されているのか。
理由は単純な「巨大さ」ではありません。
近年、博物館に保管されていた古い化石の再解析が進み、わずか数センチの頭骨片からでも種の特定が可能になってきました。
実際、約120年前に採集されていた標本が再検証され、氷河期のビクトリア州にもこの種が生息していたことが新たに確認されています。
これは従来の分布から約1000キロメートルの空白を埋める発見でした。
さらに、これまでミユビハリモグラと混同されていた化石群が再整理され、「メガリブグウィリア」という独立した系統として再定義されたことも大きいでしょう。
進化の枝分かれと、生息域の広がり。
そして絶滅のタイミング。
気候変動か、人類の影響か。
巨大単孔類は、そのすべてを検証するための重要なサンプルになりつつあります。
巨大な針をまとい、土を掘り返し、静かに姿を消した原始的な哺乳類。
それは単なる絶滅動物ではなく、いまだ整理しきれていない進化の断片そのものなのかもしれません。
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