■獣人なのか大型イヌ科動物なのか? ~ ビーマン・モンスター
「10歳のころ、叔父のピックアップトラップに乗っていた時、森から巨大なオオカミのような生物が突如現れると、車の前を横切ったんです。
その生物は、あまり動物的ではありませんでした」
これはミズーリ州セデーリア出身のデーモン・スミス (Daemon Smith) 氏のコメントです。
今回はスミス氏が語る謎の生物、ビーマン・モンスター (Beaman Monster) です。
アメリカ、ミズーリ州ペティス郡のビーマンに20世紀初頭から伝わる謎の野獣です。
ビッグフット的な巨大な獣人ともいわれることもあれば、スミス氏のように巨大なイヌ科 (オオカミやコヨーテ) 動物に似ているともいわれ、また両者のハイブリッド、つまりイヌ科に似た獣人、というものまであり、その姿ははっきりしていません。
要するに、ビーマンに伝わる陸棲の謎の巨獣であり、総称といえるかもしれません。
ですが、一般的には「ビーマン・モンスター = 獣人」とみなされる傾向が高いようです。
もしかすると獣人系ながら、腕をついて四つ足で歩いている姿が巨大なイヌ科動物を彷彿とさせるのかもしれません。
伝説の始まりは1904年に起きたミズーリ州カンザスシティで起きた列車事故に遡るといいます。
この列車にはサーカス団とその動物たちが乗っており、この事故により動物たちが乗っていた檻が壊れ脱走、その中にはゴリラが混じっていたというのです。
その逃げ出したゴリラこそがビーマン・モンスターといわれており、しかも複数逃げ出したゴリラたちは野生下での繁殖に成功、その子孫が目撃され続けているとのセオリーがあります。
まず、この列車事故自体が事実なのか確認できません。
但し、ビーマン・モンスターの存在が本当かどうかは別問題として考えると、こういった事故から都市伝説が生まれることはあるため、サーカス団の乗った列車の事故が本当にあったのかもしれません。
ゴリラではありませんが、オーストラリアで目撃されるUMA、ブラック・パンサーを代表とする大型ネコ科動物たちも、元はサーカス団の所有する動物たちが逃げ出したものだといわれ、その祖先が生き残っているかは分かりませんが、逃げ出したこと自体は事実だともいわれています。
というわけで、仮にビーマン・モンスターの伝説を生んだ列車事故が事実だとしましょう。
問題はこの後で、ゴリラが棲息するにはミズーリ州はあまりに冬が寒すぎます。
冬場は氷点下を下回る日も多く、仮に春~秋を凌げたとしても熱帯雨林に暮らすゴリラがミズーリ州の気候に短期間で適応するのは難しそうです。
ビーマン・モンスターは霊長類的に二足歩行し、巨大なイヌ科動物にも例えられ、さらに両者のハイブリッド的ともいわれます。
このことから月並みながら、やはりその正体はアメリカグマ (Ursus americanus) である可能性が高そうです。
見た目が「動物的ではなかった」という発言をどう捉えるかは難しいですが、「既知の動物には見えなかった」という風に考えると、疥癬に罹ったアメリカグマだったかもしれませんね。
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