このブログを検索

2026年10月29日木曜日

中世に描かれたジェットパックを背負うネコ ~ ロケット・キャット


■中世に描かれたジェットパックを背負うネコ ~ ロケット・キャット

生身の人間でも、ジェットパックを背負えば空を飛べる時代になりました。

古くから研究はあるものの、実際に実用化されたのは1980年代。現在でも手軽なものではなく、訓練を受けなければ容易に手を出せるものではありません。

そんなジェットパックですが、ジェットパックなど思いもつかなかったであろう16世紀に、ジェットパックらしきものを背負った猫の絵が描かれています。

オカルト的な解釈をすれば、16世紀にはすでにジェットパックが開発・実用化されており、今日に至るどこかでその技術を失った――つまり、ロストテクノロジーに違いない、ということになります。

キャプションを無視し、この絵だけを切り取ってしまえば、それこそオーパーツ(OOPArts)として成り立ちます。

オーパーツとは「場違いな工芸品」(Out-Of-Place Artifacts)の略で、未確認動物学者アイヴァン・T・サンダーソン(Ivan T. Sanderson)氏による造語(オカルト用語)です。

その時代には存在するはずのない工芸品を指す言葉ですが、16世紀にジェットパックを背負った猫が描かれていたとなれば、まさにオーパーツです。

(実際のロケット・キャットの挿絵)
(image credit : Wikicommons)

― ロケット・キャットの正体 ―


では、この絵を詳しく見ていきましょう。

この絵はフランツ・ヘルム(Franz Helm)氏の著作に登場する挿絵で、この絵もフランツ氏によるものです。

フランツ・ヘルム氏はドイツ生まれの砲兵の指導・戦術家で、大砲の製作・砲術に精通しており、神聖ローマ帝国軍としてオスマン帝国と戦った経験もあります。

そして彼が遺した著作に、ジェットパックを背負った猫、通称「ロケット・キャット(Rocket Cat)」が登場します。

彼の肩書きから薄々気付いていた方もおられると思いますが、猫が背中に背負っているのは推進装置のジェットパックではありません。

その正体は焼夷装置(しょういそうち)であり、この焼夷装置を背負った猫を敵陣へ放って火災を起こさせるという、動物爆弾だったのです。

― 猫を火攻め兵器にする ―


彼のアイデアは、敵の町で猫を捕獲し、燃焼物を詰め込んだ袋を猫の背中にくくりつけるというものでした。

背中の袋に点火して猫を放します。

猫は帰巣本能によって敵陣に戻り、パニックを起こして火が燃え移りやすい納屋などに逃げ込む。これによって大規模な火災を引き起こそうというのです。

ただし、この戦術が実際に使われたという記録は確認されていません。

そもそも、火をつけられた猫が敵陣に戻る保証はありません。パニックを起こして自陣に逃げ込むことも考えられます。実戦でどこまで役に立ったかは疑問です。

とはいえ、フランツ氏は単なる空想家ではなく、戦術を指導する立場にあった人物です。

著作に記しただけでなく、指導の場でもこのアイデアを紹介していたかもしれません。実際に試した兵士がいたとしても、不思議ではないでしょう。

― 16世紀の「猫兵器」は現存する ―


しかも、このロケット・キャットには、もうひとつ面白いところがあります。

フランツ・ヘルム氏の手稿『火砲の書(Book of Artillery)』は、現在もドイツのヴォルフェンビュッテルにあるアウグスト公図書館に現物が保存されています。

つまり、猫の背中に火を背負わせて敵陣へ放つという、16世紀のとんでもないアイデアを描いたページが、数百年後の現在まで実物として残っているのです。

なんてひどい戦術を思いついたことでしょう。

もっとも、これは結局アイデアの域を出なかったようです。

ところが皮肉なことに、第二次世界大戦になると、今度は猫ではなく、犬の命を犠牲にして戦車を破壊する「対戦車犬」がソ連軍で実戦配備されました。

16世紀には猫で考えられ、数百年後には犬で実行された――人類、こういうところだけは妙に実行力があるようです。

(参照サイト)

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)

スポンサーリンク

 
(関連記事)


0 件のコメント:

コメントを投稿