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2025年12月22日月曜日

地図から消えたトンネル ~ アパラチアの「失踪坑道」


■地図から消えたトンネル ~ アパラチアの「失踪坑道」

「トンネルに入った6人家族が、誰一人戻ってこないんだ」――

今回はアパラチア山脈に伝わる不可解な噂、アパラチアン・バニッシング・トンネル (Appalachian Vanishing Tunnel)。

2020年代頃から海外の匿名掲示板やredditの怪談系コミュニティで話題になりはじめた都市伝説で、ひとたび「中に入った者が帰ってこない」「出入口が翌日には消えていた」といった証言が投稿され、現在も細々と語り継がれています。

本ブログでもアパラチアの民間伝承をいくつか紹介しているように、アパラチアには人を引き込む不思議な民間伝承や都市伝説がたくさんあります。

本ブログで人気記事のひとつである「ノット・ディア」などもそう。

さあ、アパラチアのトンネルの中へと潜入してみましょう。

― あるはずのない「入口」 ―


最初の投稿で語られたのは、ウェストバージニアの山中で見つかった「古い採掘トンネル」の話でした。

朽ちかけた木製支柱、錆びついたレール、剥き出しの鉱脈。
一見、19世紀の炭鉱跡のような佇まいをしていたといいます。

しかし地元の鉱山資料や州の鉱山管理局のデータを調べても、その位置に炭鉱が存在した記録は一切ありません。

そのうえ奇妙なのは、探索者が翌日同じ場所へ戻ったところ──
前日見つけた入口が完全に消えていたという点です。

ではたった一日の間に崩落してしまった――
いいえ、地形そのものが最初から違っていたと証言されています。

― 記憶に残るのは「異様な静けさ」 ―


複数の投稿者が共通して語るのは、中に入った瞬間に訪れる「異常な無音状態」。

湿気の匂いはなく、風の通りもない。
蝙蝠 (コウモリ) や虫ですら存在しない。

その静寂の中を進むと、レールの終点付近に古い軍用木箱のような残骸が放置されていた、という証言が続きます。

これが次の噂へと繋がります。

― ケンタッキー旧軍事施設との接点 ―

アパラチア地域の軍事史に詳しい人々の間で、
「ケンタッキーに点在する旧軍研究施設の一部がアパラチア山脈と地下で繋がっていた」という都市伝説が昔から囁かれています。

第二次大戦期の弾薬庫、冷戦期の化学実験施設、地図に載らない軍隧道──

バニッシング・トンネルが語られるたび、必ずと言っていいほどこの「旧軍隧道ネットワーク説」が引き合いに出されます。

ただし、これらは公文書によって確認された事実ではありません。

それでも、

「異様に新しい木箱の残骸」
「最新型ではないが軍用規格の金属片」

といった証言が、都市伝説に花を添え拍車をかけているのです。

― なぜ「消える」のか ―


このトンネルが最も奇妙なのは、その存在が安定しない点です。

入口の消失
内部構造の変化
翌日には別の斜面に「似た入口」が現れる

こうした報告が続いています。

地質学的には説明不能ですが、都市伝説好きの間ではさまざまな解釈が語られています。

・炭鉱跡の自然崩落による「偶然の露出と閉鎖」説
・軍が管理していた隠し坑道が自動閉鎖されるという陰謀論
・アパラチアには地殻断層が多く地盤が「動く」ため入口が変わるという半科学的解釈
・あるいはトンネルそのものが「存在を維持できない何か」であるという超自然的解釈

ただし、これらはすべて推測の域を出ません。

唯一の共通点は、誰もトンネルの奥を最後まで確認していない――
つまりどこに繋がっているか (または終わっているか) は分からない、という事実だけです。

― 都市伝説か、それとも ―


アパラチアン・バニッシング・トンネルは、実在の炭鉱跡・旧軍施設・地元の怪談が混ざりあって生まれた、典型的なアメリカ山岳地帯の都市伝説といえるでしょう。

しかし、地図に載らない炭鉱や、戦時中の軍事隧道が数多く存在したのもまた事実です。

夜のアパラチア山中で、ふと木々の隙間に口を開く暗い穴。
それが翌日には跡形もなく消えている光景を見たなら──

誰だって、こう思うのかもしれません。

「この山には、まだ何か隠されている」と。

アパラチアの「消えるトンネル」がただの都市伝説で終わるのか。

そしてあの六人家族──
もし彼らが戻ってくることがあれば、失踪の謎も、トンネルの秘密も、すべてが語られることでしょう。

それが事実か都市伝説か、我々が答えを知る日はまだ遠いのかもしれません。

(参照サイト)

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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