2026年7月5日日曜日

事故で死んだはずだった ~ 私だけが生き続ける世界


■事故で死んだはずだった ~ 私だけが生き続ける世界

今回はグリッチ・イン・ザ・マトリックス。

グリッチ・イン・ザ・マトリックスとは、この「現実」と思って暮らしている世界は、実は巨大なシミュレーションであり、時折その綻びによって、本来なら起こり得ない現象が起こるのではないかという都市伝説です。

その中には、「本来なら死んでいたはずの人間が、別の世界で人生を続けている」という奇妙な説があります。

これは、ある交通事故を境に、自分の世界が入れ替わってしまったと語る男性の体験です。

― 避けられない衝突 ―


当時、私は25歳でした。

ロサンゼルスで仕事を終え、土曜の夜、サンセット・ブルーバードを車で走っていました。

交通量はそれなりに多く、対向車のライトが絶えず流れていきます。

ゆるやかなカーブへ差しかかった、その時でした。

突然、1台の車が視界へ飛び込んできます。

車はスピンし、私の進行方向を塞ぐように真横を向いていました。

距離は、ほんの十数メートル。

ブレーキは間に合いません。

反射的に右へハンドルを切ります。

しかし隣の車線には別の車が並走していました。

逃げ場はありません。

今度は左へ切り返します。

頭の中では「もう終わった」と理解していました。

計算しても、助かる余地はありません。

― 人生が巻き戻る ―


その瞬間、不思議なことが起きました。

突然、3歳の頃の記憶が鮮明によみがえったのです。

母と訪れたディズニーワールド。

昼下がりの眩しい光。

母が握っていた私の小さな手。

風に揺れるカラフルな風船。

その記憶は、それまで一度も思い出したことがありませんでした。

ですが、その瞬間だけは昨日の出来事のように鮮明でした。

私は悟りました。

「人生が走馬灯のように流れる」という話は本当なのだと。

そして、自分はここで死ぬのだと。

私は必死に叫びました。

「嫌だ!」

「まだ終わりたくない!」

声になっていたのか、それとも心の中だけだったのかは分かりません。

ただ、その叫びだけは今でもはっきり覚えています。

― 世界が消えた ―


気が付くと、私の車は反対車線で止まっていました。

恐る恐る顔を上げます。

私は思わず息を呑みました。

車が、一台もいない。

さっきまで何台もの車が走っていた道路。

土曜の夜で賑わっていたはずのサンセット・ブルーバード。

そこには、自分以外、誰も存在していませんでした。

静寂だけが広がっています。

事故を起こした車も。

隣を走っていた車も。

対向車も。

クラクションも。

ブレーキ音も。

何もかもが消えていました。

まるで世界そのものが、一瞬で初期化されたようでした。

― 私は本当に助かったのか ―


私は震える手で車を走らせ、自宅へ向かいました。

ほんの数分の道のりでしたが、その間も一台の車ともすれ違いません。

歩行者もいません。

街は異様なほど静まり返っていました。

自宅へ着いても、その違和感は消えません。

私は部屋へ駆け込み、親友へ電話をかけました。

「お願いだから答えて。」

「私の名前は?」

「今は何年?」

「私は、生きてる?」

親友は驚きながらも、一つひとつ答えてくれました。

「何を言ってるの?もちろん生きてるじゃない。」

私は電話を切ったあとも、しばらく動けませんでした。

安心できなかったのです。

私の記憶では、あの事故を避ける方法は存在しませんでした。

あそこで生き残れる確率は、限りなくゼロだったのです。

― 考察 ―


この出来事は、極限状態による記憶の混乱だったのかもしれません。

あるいは、事故の衝撃で一時的に現実感を失っていただけなのかもしれません。

一方で、グリッチ・イン・ザ・マトリックスでは、「量子不死(Quantum Immortality)」という仮説が語られることがあります。

致命的な事故で命を落とすはずだった人間の意識だけが、生き延びた別の世界へ移るという考え方です。

もちろん、それを証明する方法はありません。

ですが、この男性は事故から約30年が経った今でも、あの日の確信だけは変わらないと語っています。

「私は、あの夜に死んだ。」

そして今もなお、どこかで考え続けているそうです。

この人生は、あの瞬間から続いている本当の現実なのか。

それとも、死を拒んだ私だけが辿り着いた、もうひとつの世界なのか。

(参照サイト)
reddit

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