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2026年7月28日火曜日

「……やっぱりな」父の遺した言葉


■「……やっぱりな」父の遺した言葉


グリッチ・イン・ザ・マトリックスとは、この「現実」と思って暮らしている世界は、実は「現実」ではなく「仮想世界」であり、我々はただのパソコンの中の住人に過ぎないのではないか?という陰謀論系の話です。

それはバグのように一瞬だけ現れ、気づいた者の人生を大きく変えてしまうことがあります。

― 釣りの帰り道 ―


当時、私は17歳でした。

父と2人で釣りを終え、家へ向かうところでした。

季節は晩秋。

深夜に近く、周囲は街灯も少なく、外はほとんど何も見えない闇に包まれていました。

車に乗り込もうとしたとき、父が突然こう言ったのです。

「今日は、前に座るな」

― 理由のない拒否 ―


私は理由を聞きました。

しかし父は、はっきりした説明をしませんでした。

ただ「なんとなく嫌だ」と言うだけで、譲ろうとしなかったのです。

私たちは5分ほど言い合いになりました。

結局、私は折れ、後部座席に座りました。

今思えば、それがすべての分岐点でした。

― 闇の中の対向車 ―


走り出してから、ほんの2分ほどだったと思います。

突然、前方にライトが見えました。

それは、ありえない位置にありました。

対向車が、こちらの車線を走ってきていたのです。

衝突の直前、父はハンドルを切りました。

同時に、相手の車も車線を変えました。

その一瞬、父が呟くのが聞こえました。

「……やっぱりな」

次の瞬間、私の意識は途切れました。

― 目が覚めたとき ―


気がつくと、周囲は騒がしく、警察官がいました。

私は半分意識が朦朧としており、詳しいことは覚えていません。

ただ一つだけ、異様なほど鮮明な記憶があります。

壊れた車の中で、父がこちらを見ていました。

涙を浮かべながら、手を振っていたのです。

その表情は、恐怖ではなく、どこか安堵しているようにも見えました。

― 父は、もういなかった ―


後になって聞かされた事実は、残酷でした。

父は衝突の衝撃で車外に投げ出され、搬送先の救急車の中で亡くなったというのです。

私が見た「父」は、現実には存在しないはずでした。

― 考察 ―


父は、何を感じ取っていたのでしょうか。

もし誰かが死ぬなら、自分だと決めていたのかもしれません。

だからシートベルトをしなかった。

だから、私を後部座席に座らせた。

あの手を振る姿は、別れの挨拶だったのか。

それとも、極限状態の脳が作り出した幻だったのか。

今も答えは出ていません。

ただ一つ確かなのは、あの夜、父の「説明できない違和感」が、私の命を選んだということです。

あなたなら、この出来事を、ただの偶然だと片付けられるでしょうか。

(参照サイト)
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