さあ、今回はUMA界のスター、モケーレ・ムベンベ(Mokele-Mbembe)の話をしよう。
まあUMAファンであれば言わずと知れたアフリカ系UMAの代表種ですからご存じだと思いますし、読み飽きて食傷気味かもしれません。
しかし、むかしのUMA本に載っていたころと違い、今では世界中から情報もたくさん集まって随分と内容もアップデートされているようですから、興味深い点を押さえながら書いていきましょう。
― 竜脚類に似たアフリカのネオダイナソー ―
(モケーレ・ムベンベ)
モケーレ・ムベンベはアフリカ大陸に生息する、アパトサウルス(Apatosaurus)やブラキオサウルス(Brachiosaurus)に代表される竜脚類によく似た姿をしたUMAです。
モケーレ・ムベンベの正体として20世紀初頭は、ブロントサウルス(Brontosaurus)生存説で人気があったといいます。
いずれにしても、英語圏では「ネオダイナソー(Neodinosaurs)」と総称される恐竜系の代表的UMAです。
― テレ湖の怪物、というイメージ ―
日本では一般的にモケーレ・ムベンベは、コンゴ共和国のテレ湖(Lake Tele)に生息するUMAとして知られています。
テレ湖は直径5キロ程度のほぼ円形をしているのが印象的な湖で、平均水深は4メートルほど。
それほど大きくもなければ深さもなく、意外に思われる方もいるかもしれません。
しかし、人跡未踏の鬱蒼とした密林の中に突如現れるテレ湖ですから、巨大な未確認生物が潜んでいる可能性がある、そういった雰囲気を醸し出す湖であることは確かです。
一般的に、日本では完全な水生UMAという紹介ではないものの、テレ湖土着のレイク・モンスター的意味合いで紹介されることが多い印象です。
― 実際は「川の怪物」 ―
(オームデノサウルス)
(image credit :Wikicommons)
モケーレ・ムベンベとテレ湖の関係は、日本のUMA本どおり密接な関係にあることは確かですが、実はテレ湖というよりはコンゴ川水域全体に生息するUMAとして知られており、ネッシーやチャンプといった、いわゆるその湖固有のレイク・モンスターではありません。
このモケーレ・ムベンベという名前も、リンガラ語(Lingala)で「川の流れを堰き止めるもの(one who stops the flow of rivers)」とされ、湖というよりむしろ川に根差したUMAであることを示唆します。
リンガラ語がコンゴの一部でしか使われないマイナーな言語であることに起因したためでしょう、モケーレ・ムベンベという単語は「虹」であったり「巨大生物」と訳されたりしていたこともあります。
「巨大生物」の由来はすぐに分かりますが、「虹」という解釈は直感的ではありません。
これは雨上がりの虹と共に現れるから、とか、長い首がアーチ状になっているシルエットが虹のようであるから、と解釈されていました。
― 生息域は中央アフリカ一帯 ―
(マジャーロサウルス)
(image creidt : Wikicommons)
モケーレ・ムベンベの生息域に話を戻しましょう。
このUMAは、コンゴ共和国と接するザンビアの湿地帯にあるバングウェウル湖(Lake Bangweulu)付近にも現れるUMAとしても知られており、カメルーン共和国であったりガボン共和国であったり、中央アフリカの広範囲に渡る多くの国々でモケーレ・ムベンベ(と同一と思われる生物)の伝説があります。
その姿は前述の通り首の長い恐竜、竜脚類を彷彿とさせ、さらにその名前が意味する「川の流れを堰き止めるもの」という響きから、とてつもない巨体を想像させますが、意外にも、UMAとしてはわりと控えめ、というより現実的で、現地の人々から「ゾウぐらい」「カバぐらい」と形容されます。
― 小型竜脚類という現実的サイズ ―
竜脚類は総じて非常に巨大ですが、13フィート(約4メートル)しかないオームデノサウルス(Ohmdenosaurus)や、20フィート(約6メートル)のマジャーロサウルス(Magyarosaurus)等、モケーレ・ムベンベにぴったりのサイズのものも存在します。
ではモケーレ・ムベンベの正体が、そういった小型竜脚類の生き残りかと言われたら、恐竜生存説は夢はありますし否定はしませんが、やはりその説は厳しいといわざるを得ないでしょう。
― クロサイ説という身も蓋もない結論 ―
(絶滅が危惧されるクロサイ)
(image credit by Wikicommons)
イギリスBBCの人気番組「コンゴ」では、現地住民のインタビューからモケーレ・ムベンベの正体を、コンゴ共和国ではもともと一般的でない「クロサイ(Diceros bicornis)」と断定しました。
クロサイは首が長いどころか、首がどこにあるのかすら分かりにくいほど短く、モケーレ・ムベンベとはかけ離れたシルエット。
しかしサイを知らない人々が間近で目撃した場合、恐竜然としたその巨躯、そしてゴツゴツした皮膚、さらにモケーレ・ムベンベの特徴のひとつに「角をもつ」との証言もあることは、クロサイ説を後押しします。
もともと「モケーレ・ムベンベ = 竜脚類」という図式を作ったのは西洋であり、元から首の長い未確認生物であったのかは怪しいところです。
とはいえ「モケーレ・ムベンベ = クロサイ」との断定は、UMAファンとしては受け入れがたく、寂しいのもこれまた事実。
体高のある大型爬虫類の存在は未発見であっても難しいため、未知種のやや首が長めの哺乳類、そこら辺がモケーレ・ムベンベの正体の落としどころではないでしょうか。
― 「正体」よりも残り続ける理由 ―
ここまで見てくると、モケーレ・ムベンベは「未知の生物」というより、広大すぎる自然と、外部の想像力が交差した場所に生まれた存在にも見えてきます。
川を堰き止めるほどの何かが、密林の奥にいる。
それが恐竜であれ、サイであれ、あるいは別の何かであれ、人が簡単に踏み込めない場所が残っている限り、この名前は消えないのでしょう。
モケーレ・ムベンベは、「そこに何かがいてもおかしくない世界」が、まだ地図の外側に残っていることの象徴なのかもしれません。
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赤道直下の国だから探せば恐竜っぽい何かがいるかもしれませんね
返信削除再開されたようで嬉しいです!
返信削除これからも楽しく拝読させていただきます!
はい、再開しました!
返信削除たまに間隔が開くことがあるかもしれませんが、完全ストップはないと思いますのでよろしくお願いします!